今週の映画
"Boxer":邦題「ボクサー」
ダニエル・デイ・ルイス主演の
IRA(アイルランド共和国軍)と繋がりのあったボクサーを描いたお話。
IRAの一員であったために14年間刑務所に送られ、
刑期を終えて帰ってきたボクサーが、
失われた時間を取り戻すために
ボクシングを通じて周りの人々に影響を与えていく話です。
というのが自分の好みのお話だったのですが、
このお話はもう一つ平行して語られる
ラブストーリーに落ち着いてしまいます。
それも理由はどうあれ不倫。
IRA関係のお話は良かったのですが、
ラブストーリーを重視したあまり、
どっちつかずになってしまったような印象を受けました。
"Elephant":邦題「エレファント」
「グッド・ウィル・ハンティング」等のガス・ヴァン・サント監督が
とあるアメリカの高校の一日を描いた作品です。
コロンバインの射撃事件を元にしていて、
映画でも射撃事件が起きるので、
単なる「一日」の話ではないのですが、
射撃事件の部分がおまけのように思えるくらいに
痛いほど「高校生活」を描写しているのです。
アメリカの高校生のお話ですが、
日本の高校生にも共感できる部分が多いのでは。
秋の終わりのキャンパスを描いている映像も、
寒さが伝わってくるよう。
高校(というかその時期の子供たち)の
息苦しさを伝えるということがテーマだったようで、
射撃事件についての理由付け等は
明確にされていないし、
多分それは必要のないことだと思うのです。
でも、一つ気になったのが
犯人の子供たちがゲイとして描かれていたこと。
自分には蛇足としか思えませんでした。
監督のメッセージなのか中途半端な理由付けなのか、
どちらにしてもそれさえなければ
もっと楽しめたのにと思える映画でした。